◕著書 |
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・マチノロジー(街の文化学) | 創世記 |
・都市は未開である | 創世記 |
・商業ルネッサンスの時代 | ダイヤモンド社 |
・コンベンション・ビジネス | ダイヤモンド社 |
・「物あまり」時代の店づくり | ダイヤモンド社 |
・ベンチャー・マーチャネント | 日本経済新聞社 |
・都市文化の仕掛人 | 東洋経済新聞社 |
・いま蘇る“まち”のコンセプト | 日本コンサルタントグループ |
・地域創造と産業・文化政策 | ぎょうせい |
・都市産業の挑戦 | ぎょうせい |
・ビジネス・プレゼンテーション | アイペックプレス |
・第五次産業 | アイペックプレス |
・ビジネス・ファイターの戦略発想 | アイペックプレス |
・都市のエッセンス | 未来社 |
・造形情報論 | アイペックプレス |
・都市民俗学講座 全五巻 | 未来社 |
・地域産業創世紀 | ぎょうせい |
・都市のロビンソン・クルーソー | 新曜社 |
◕編著 |
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・気持ちのデータ<女性2000人の生活づくり> |
プレジデント社 |
・「物語 都市づくり」のすすめ <ドラマティック都市・人吉市の挑戦> |
ぎょうせい |
◕共著 |
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・先端技術の発想と戦略 | ダイヤモンド社 |
・新時代感覚の商業発想 | ダイヤモンド社 |
・街づくり発想の時代 | ダイヤモンド社 |
・複合型<ビジネス> | ダイヤモンド社 |
・東京 <ビジネス> | 日本経済新聞社 |
・異業種間の提携 | 日本能率協会総合研究所 |
・街づくりの神話<トーノロジー> | ぎょうせい |
・街づくりプロデュース&プランニング | 街づくりプロデュース研究所 |
・グローバル時代の経営課題 | TBSブリタニカ |
・講座 まちづくり開発入門 | ぎょうせい |
・炉辺談話10年 | 耳の会 |
・現代西洋都市見聞録 | ぎょうせい |
・21世紀の花形職業はこれだ | 実業之日本社 |
・ニユーオフィスを考える | 実教出版 |
・21世紀のグランドデザイン<環境・都市・情報> | 思文閣出版 |
・遊惑都市づくりのすすめ | ぎょうせい |
・ファシリティ・マネジメント | ガイドブック 日刊工業新聞社 |
・企業家魂 | 東洋経済新報社 |
・文化は都市を刺激する | プロセスアークテクチュア |
・知の技術 -わたしの方法- | 「知的生産の技術」研究会 |
・商業集積の戦略と診断 | 同友館 |
・シリーズ地域の活力と魅力第5巻 感動-地域の文化、芸術、伝統芸能 |
ぎょうせい |
その他童話作家、エッセイストとしての作品も多数 |
私のひたすら尊敬する松田義幸先生から、A5版、500ページの大著『余暇と祝祭-文化の基礎-』をいただいた。松田先生は本来、教育学者であるが、その学問的範囲は広く、社会のあらゆる分野を網羅する学識者として知られている。学者でありながら、電通、余暇開発センターと実学的分野でも活躍し、多摩大学でも客員教授として、最終的には尚美学園大学の学長、理事長を勤められた。
手にした『余暇と祝祭』は松田先生の半生を掛けた研究の総まとめ的内容であるが、ドイツの哲学者ヨゼフ・ビーバーの名著『余暇と祝祭』をベースに、カトリックの神学を突き詰めた稲垣良典先生と共創して、まとめたものである。タイトルである「余暇」と「祝祭」とは、古臭い様であるが、人生100年時代と呼ばれる現代社会においては、最も新しい問題である。それは、資本主義社会における「ワーク=労働・仕事」中心の社会から、明らかに「余暇=レジャー生活」が先導、中核化する社会に変容せざるを得ない転換点が、見えているからである。
ITやロボットの跋扈する風景も、コロナ禍の家籠りも、「余暇」や「祝祭」が、舞台の主役に登場してくる明確な予兆を内在させている。しばらくは、松田先生の著作が、私の余暇生活を充実させてくれるだろう。義幸先生、ありがとうございました。
かねてからの不思議な縁のある三浦展氏が新著『教養としての都市論』を出しました。何と、この本の参照した33冊の中に、私が50年前(1977年)に出した処女作でもある『マチノロジー=街の文化学』が紹介されているのです。しかも、三浦さんの文章は初恋の恋人のような愛おしさで書き上げています(ちょっとオーバーですが)。
これまでになかったシャープな切り口、自在なアプローチの内容の本ですが、読了して直感したのはこの本の原点となるモデルでした。そのモデルとは20世紀を代表する思想家ワルター・ベンヤミンの『パサージュ論』です。この本は、近代資本主義が躍動する19世紀から20世紀に掛けてのパリを舞台に、その事象と歪をあらゆる知見を収集してエッセイ・散文的に表現していく技法を取っていますが、その思想表現の構造が私には三浦さんの試みの基底にあると見たのです。
しかもベンヤミンの主張する近代資本主義の躍動と歪を最も象徴する舞台が「パサージュ」であるのですが、そのパサージュが生み出した新しい人間像が「フラヌール=遊歩者」で、私は正真正銘のモデルとして三浦さんを「フラヌール」であると確信したのです。
自分をフィールドワーカーや散歩人といっていますが、三浦さんは真に「遊歩者」ですね。観察の中に優れたエスプリと遊びがある、この発見が『教養としての都市論』の、最も魅惑的なところです。
三浦さん、ありがとうございました。
バックミンスター・フラーは閉ざされた脆弱な地球を「宇宙船地球号」と称した。
資源枯渇だけでなく、コロナウイルスはその脆弱さを露呈させた。コロナ禍にあって私たちはどう生きるべきか。
谷口正和はその答えを「革命1/2」と宣言する。過去からのご宣託をふるいにかけて半分に、未来には半分のエネルギーで希望を充填させた仮説を次々に発信せよ、という。
あらゆるものを半分に、とは地球からの命題だ。私たちは、地球の片隅にある狭い操舵室から、その地球の未來と過去の半分ずつを操縦する叡智をいかに獲得するか、いま深く問われている。
国交省マターの機関誌『新都市』の小論を寄稿。出版社ぎょうせいの役員:梶原純司さんにご紹介いただきました。その巻頭言に、イベントを起点にした「ソーシャルイノベーション論」が掲載されています。
ようやくというか、あっという間というか、『構想の原石』という本ができました。大学院の私の講義科目である「社会デザイン構想」を受講してくれているメンバーに加えて、OBの皆さんにも参加いただき、一人約2万字の思惟の原石を脳みその中から掘り起こしていただいたのです。
レヴィー・ストロースの『悲しき熱帯』ではありませんが、現代の未開である都市社会への踏査を果敢に行ってきた経験が、実は参加してくれた院生の皆さんには共通にあって、それが新しい文化人類学の登場を、可能にした・・・と私には、刷り上がった本を手にして、思ったことでした。
この知の探検は、これからも荒々しく続くでしょう。またびっくりするような異脳者の探検録を手にすることができるでしょう。今回の『構想の原石』はそのわずかな前触れに過ぎない、などと私は見積もっているのですが。
人生には、大きな飛躍や、転機や、衝撃となる本との出会いがある。その貴重な一冊との出会いを、鎌倉ペンクラブの会報に書かせていただいた。自己における思想形成の源泉の1冊です。
日本の社会、特に地域コミュニティが大きく揺らいでいます。社会の基盤となる地域がぜい弱であれば、日本に暮らす人々の希望も幸せもぜい弱にならざるをえないでしょう。
人間と同じように、地域もみずからを維持し、また再生するひとつの生命体のように存在しています。「自己創出」する力がその存在原理として働いています。しかしいま、地域社会のリビドー(命を支える根源的な力)が萎えきっているように思えます。
『地域からの未来創生』が出版されました。私の友人、仲間たちと書き上げた1冊です。現場で思念し、実践してきた10名の方々です。
私は、自己の生きさまを通して、地域に生きるあり方を考えてきました。もとよりまだまだ拙い小論ですが、畏友・森賀盾雄氏、丁野朗氏らが圧巻の論考を寄せています。10名の現場で強靭に生き、実践してきた執筆者が、強風にあえぐ地域社会への大きな支えとなる、また新たな「自己創出」への種となる幾多のプリンシプルを提示するものなっています。
さながら、「知と地のミュージアム」がこの本の目指すものでしょう。
そうして苦闘する全国の愛郷者のとっての、大切な情熱というエネルギーに変換する<懐の1冊であることを、私は心から願っているのです。
執筆メンバー;森賀盾雄、丁野朗、上野祐子、神谷利徳、井上弘司、河合保宏、森智子、土井利彦、富田敏
友人の谷口正和氏が、京都時代の同級生で起業家:瀧栄治郎氏(日本テレノット株式会社社長)と図って興味深いオピニオン誌『構想の庭』を発刊しました。
『構想の庭』という素敵な名前が表しているように、古くて新しい京都の風土を範(庭)にして、世界に向けての次なる社会に答える構想を次々に打ち出す「構想提案誌」です。第1号は錚々たる構想家たちが揃いましたが、小生も末席を穢しています。
この「庭」をデザインした谷口正和氏、パトロネージュした瀧社長に感謝ですね。「構想」という大気流が地球を包み込むような、日本の構想力を世界に示す機関紙になることを、期待しています。
<センス・オブ・ハピネス> 希望と幸せを創造する社会へ
この明るく、光り輝く季節に、私にとってはメルクマールとなる新著を出版することができました。
誰でもが、人生において<希望と幸せに満ちた社会>を捜し求めるでしょう。しかし、それは容易なことではありません。逆に、苦難と絶望に出会うことのほうが多いのです。私は地域再生や産業活性化、まちづくりやビジネス支援、創造都市や事業創造そなど、多面的な研究をやってきましたが、たどり着いたのが『希望と幸せを創造する社会』というテーマでした。
私たち一人ひとりの本質的なテーマです。むろん、この本がその結論の導いているのではありません。まだまだ糸口に過ぎません。大勢の方々に挑戦してもらう課題として提出したのです。そして多くの方々のお考えやアドバイスをいただきたいのです。
表紙の写真は、フランスのある海岸で足元にある渚の幸を探す2人の幼い兄妹です。少年だった私も、これまでずっとその“幸”を探し続けてきたのだと、2人に出会って深く感動しました。そしてその子供の心に、再びも戻ろうとしてこの本を書いたのかもしれません。小さな出版社から出しましたが、AMAZONで手に入れることができます。どうぞ、ご参考までに!
『手回しオルガン弾きと二匹の猫』、昨年パリに居たときに書き上げました。童話作家復帰1作目。少年時代から新美南吉などに感動し、童話づくりに励んできました。ところが大学院生のころ、都留重人が下訳したというリリエンソールの書いた『TVA』に運命的に出会い、1929年からの大恐慌を乗り越える「草の根民主主義」の思想に感銘を受けます。多くのアメリカ市民に勇気を与えた著作です。ニューディールの経済活動の中で、最も成果を生み出すことになるプロジェクトでした。
<社会デザイン>というフィールドが、これ以降、私の頭の中で大きな位置を占めてきます。
それらの研究が主になり、しばらく童話制作から離れていましたが、パリで辻音楽士と2匹の猫に出会ったときに、また自然に童話のストーリィが頭の中に浮かんできたのでした。
なぜ今、童話なのか。童話は、実は人々の暮らしや社会を、平易な感性で読み取るツールになる、と私には思えます。私たちが生きていく哲学を、哲学者の頭ではなく、少年の心で読み解く、という試みです。その第1作目にトライしてみました。まだまだ拙いものですが。あの少年時代、少女時代の“まなざし”を取り戻すきっかけになれば、と私は願っているのですが。