知の饗宴は、まさに極楽!極楽!

尊敬する大先輩・柳孝一先生にお忙しい中、ご来楽いただきしばし歓談の時間を持ちました。柳先生は逗子にお住まい、構想博物館からは鎌倉の海岸沿いの対面にお暮しですから、湘南仲間ですね。柔らかな思考に、強靭な人生のビジョンをお持ちの柳先生に、これまでも大きな共感と教えを受けてきました。ともに中村秀一郎門下生。新しい時代の社会デザインの在り方を、ソフトに語り合い、お持ちいただいた美味なるワインに酔いしれました。齢を重ねても、未来への志向は熱く燃え盛る。知の饗宴は、まさに極楽!極楽!、プラトンも顔負けの極楽寺の一夜でした。

知の花咲く構想博物館で「ゆねッサンス」

桜が咲き乱れる構想博物館に、友人の彦坂裕先生と異脳の子息:ゆねさんが訪ねておいでになった。ゆねさんは、古生物学者で細密画の達人、イタリアの中世史研究家で、在フィレンツェ。
古代生命の秘密と、ルネッサンス絵画史におけるエロスの内在性、先ごろお亡くなりになったウンベルト・エコーの中世を彩った記号学的曼荼羅世界の仮構性など、庭の桜に負けない知の花を3人の会話で咲かせて見せた。

 

シャンパンには、イチゴとチョコレートが似合ったが、一番のおつまみは、頭の中のニューロン間をスパークする火花ならぬ「知花」であったのかもしれない。

SCアカデミー望月ゼミ開講!

叡智の森にたたずむ構想博物館。初秋の1日、SCアカデミーの望月ゼミが始まりました。今期は6名、いずれも優劣をつけることのできない秀英ぞろいのようで、構想発表のプレゼンで驚きの連続。新しい日本を背負う世代が台頭する予感でいっぱいの日でした。

「富遊層」の時代

お茶の時間、とは言っても頭脳の中のシナプスがガンガン発火して、高温になる時間。

 

ここから様々な構想が形作られ、構築される。異脳の人材が集積している環境こそが「富遊層」の時代を象徴しているだろう。

叡智の樹林は知のトポス

アリストテレスのペリパトス派を気取って、大学院:社会構想の最終講義では明治神宮の深い森の中を逍遥。取って置きの知のトポス・・・切り株が椅子になるアカデメイア・プラトニカの森の教室でレクチャー。14名の院生たちが、それぞれ切り株に腰かけ、アテナイの郊外の森を想起し、「少ない日光の森の中でも、生き延びる本物の木となり、叡智の樹林を創出させる知の技法」を学ぶ。その中には、大正9年に完成した明治神宮の民間側の推進者・渋沢栄一、林学博士・本多清六ら綺羅星のような知の構想の根源に迫る話も。森を縫い、西参道に出ると巷は灼熱の世界。


打ち上げのプラトンの「饗宴」は、院生の入川秀人氏が演出。氏のカフェで、現代の「饗宴」の試みが行われた。これこそが、明日へのアカデミー(アカデメイア)であることを、美味なる赤ワインの渋みの中に、一人一人が直感していたことであろう。

異能者、異端者の創出を目指して(須崎未来塾)

高知・須崎市の『須崎未来塾』に講義で参加いたしました。本年もまた若手を中心に、かなりの人生経験者も塾生として参加。元気なタウンイノベーターが次々に生み出されそうです。今年は、他の地域に追随することを良しとしない、強靭な「草莽の志士」たちを「天と合体する」ほどの飛翔する志を持った人材輩出元年として、異脳者、異端者の創出を目指す年になれば、と願っています。

 

朝からの激しい雨が止んだ午後に、森賀塾長を先頭に、地場産業の土佐打刃物の「迫田刃物」工房を訪問。まるで草庵のような(かなり老朽化している)工房で、親子2人が隠者のように鍛造と研磨の崇高な技術に挑戦し続けている姿に、全員が感銘。散々に叩かれ研ぎ出された刃物の持つ切れ味鋭い姿に、将来の塾生の姿を重ね、夏草の香りを届けてくる山の端を足早に過ぎていく飛雲を眺めていたものでした。

アマミイズム(奄美主義)のあけぼの

奄美大島名瀬市で7人の若者たちが中核になって「名瀬市ルネッサンス委員会」を立ち上げました。彼らがどんな構想を抱き、まちの未来や経済をどんな手法で創り上げていくのか、彼らのサポートを依頼されて訪れてみました。鹿児島でトランジットして、屋久島、口永良部島の上空に差し掛かると海上はあくまで晴れているのに、島の上にはぽっかりと雲がかかっている。島の樹林が蒸気を生み出し、雲になるのでしょうか。問題意識という蒸気を出すことによって、私たちも雲を呼寄せる、そんな思いを持ちました。 

名瀬市の商工会議所では7人の若武者が待っていました。何と、彼らは自発的に委員会を組織し、主体的に活動することをモットーにしています。彼らの、島の未来構想を聞きましたが、正直に言えばまだ稚拙です。しかし、補助金ありきのまちづくりから脱する彼らの意識の高揚は、年寄り主体のこれまでのビジョンづくりからは、明らかに差異化の事業構造を感じさせます。 

「アマミイズム(奄美主義)」といったらよいでしょうか。私も、彼らを触発させる幾つかの事業構想を提案しました。まだ発表できないのが残念ですが、奄美大島にも、大きな恵みの雲がかかり、偉大な成果を期待できる明日が生まれるのでは、と願っているのです。

試塾の時代がやってきた

立て続けに、愛媛大学地域再生マネージャーシニア塾と、須崎未来塾の2つの塾で、講演をさせていただきました。その塾体験を通して、日本の地域の次代を担うのは、地域の知を発見し発酵させる「私塾」ならぬ、「試塾(しじゅく)」の時代が来た、という想いを強く持ちました。須崎と松山で遭遇した塾生たちは、誰もが性別や年齢に関係なく、地域に生き、地域で思考し、そしてそれを構想化して、志し高く「試みる」強い意志をもっていることに、大きな感銘を受けました。新たな「社会創造」の芽を育てることを(先行する地域モデルとして)真摯に「試みる」いわば現代の「草莽」たちが生み出されていることに、目を見開かされたのです。どんなに厳しい環境、土壌でも、大地は必ず次なる希望の人々を育てる、そんな体験は、私を深く幸せにしてくれるものでした。2つの塾は、これからも継続して運営されていくでしょう。こんな地域知の育成の試みは、全国に燎原の火のように広がっているはずです。微力ながら、これからも私自身「社会知」のサポーターになっていくつもりです。

2つの塾の森賀塾長と塾生の皆さんに、「ありがとう」と心から申し述べておきたいと思います

▲愛媛大学地域再生マネージャーシニア塾(2014/7/5)
▲愛媛大学地域再生マネージャーシニア塾(2014/7/5)
▲須崎未来塾(2014/7/12)
▲須崎未来塾(2014/7/12)

構想人ここにあり

もう30年も前のことになるが、「地域文化研究会」なる勉強会を立ち上げ、研究交流を10人足らずのメンバーと続けてきた。核になるメンバーの多くは異端の官僚・佐橋滋が創った「余暇開発センター」に出入りしていた人たちで、私もその端くれに加えていただいた。地域経済研究の馬場宏造氏、JTBにあって大衆旅行時代の研究で一世を風靡した内籐錦樹氏、日商から国際商業会議所(ICC)に出向しアジア諸都市で活躍した山田清氏、やはりアジア諸都市の都市商業開発のオーソリティ・BACの柳田優氏、三菱重工でいち早く都市インフラ輸出の土壌を開発した木村格氏など、錚々たる面子が集った。数十年ぶりの邂逅である。


馬場氏だけは、昨年狭山市の「まちづくり大学校」でお会いして、地文研の再集合を約束し、この機会が生まれたのだ。内籐錦樹氏は、桜美林大学名誉教授の肩書きで、現在でも地域観光の分野で大活躍である。かつての研究仲間であった方々が、現役で頑張っている姿には、勇気付けられる。


皆さんが、注目してくれたのはやはり「構想博物館」の存在。このメンバーで、また大いなる構想を語り合うのは、そう遠いことではないだろう。

次世代人間行動のソーシャルビジネス化の試み

ここ数年来、ヨーロッパにおける新たな人間存在の根源を問うような事業構想を研究してきたが、ようやくその事業の一つのモデルが立ち上がりつつある。私の友人のフランス人の起業家と、これまた私の古くからの日本人の友人とをコラボして、その構想ミーティングを行った。次代の人間行動をソーシャルデザイン化する試みである。


大いに議論が沸騰し、終了後の居酒屋でのビールの一杯が、加熱した脳髄を冷やしてくれた。この挑戦が、日本に新たなビジネスドメインを創造できるか。楽しみだ。

講義復活!「地域事業創造」(孵化から発根へ)

大学院での講義を復活させます。テーマは『地域事業創造』。地域を土壌に新しい事業を創造する、これまで私がやってきた研究と実戦の捉え直し講座です。

 

目下、パリの屋根裏部屋で暮らしていますが、ただぼんやりと過ごしているのではありません。いま、パリのシェフたちの間で大人気なのが、郊外にある日本人が経営する「山下農園」の野菜。山下さんは、アグリアントレプレナーですね。その山下さんが言っています。「種が発芽するために大切なのは“発根”だ」。この言葉は私たちを大いに触発させますね。

 

起業や事業には、「孵化」という概念が使われてきましたが、「発根」の概念が希薄でした。種子が発芽するために、地域という土壌にしっかりと根を張る講義を展開して行きたいと、その構想を膨らませています。時にルソーのように部屋を出て、百貨店を発明したプシコーの記念公園などを、春の薫りを感じながら散歩する日々です。

SCアカデミー講義を構想す

 今年で2年目となるSCアカデミーでの講義のテーマ・コンセプトを考えていましたが、ソーシャルチェンジをめざす「ネクストソサエティ論」をようやくまとめました。一番の構想の基盤にデニス・ガボールの<未来を発明する>というコンセプトがありました。これを再考する、以前から温めていた構想です。最初のキックオフ講義に使います。また、社会変動論にカタストロフ理論を援用し、シュンペーターのニューコネクションの発想を大胆に活用してみました。これらの筋書きは、パリの屋根裏部屋でドラフトを進めたいたものです。桜が満開の、構想博物館の書斎で、ストーリーを閉じました。頭の中の脳細胞も、満開の気配です。(2014/4/1)

日本SC協会アカデミーの強化ゼミの開催

この夏の最終となる勉強会。日本SC協会アカデミーの強化ゼミが行われました。参加者はゼミ長のTN氏、MA氏の2名。知の編集力の強化、自己知スタイルの確立、構想と構造のスパイラル思考について、徹底講義と議論を進めました。アモルファス化した脳と思考のカタライズの手法は、これから展開される論文の基礎となるもので、2人のプレゼンを受けたアドバイスでしたが、私にとっても眠っているメモリーの覚醒となるものでした。

取って置きのボルドーの赤ワインと、学び舎の静寂に酔いしれて、5時間の強化トレを終えて2人は漆黒の闇の中に消えて行きました


夏の終わりに大いに語らう

多摩大学を支える気鋭の研究者・MO先生が、構想博物館をご訪問。夏の終わりの「第九」を盛大に歌い上げるセミたちの合唱を聞きながら、私たちも大いに語り合った
奥山先生は、東京都庁で主に多摩地域での中小企業振興や地域産業づくりにトライアル、この四月から多摩大の先生に転進された。
語り合ったのは・輻輳する学問体系の未来構築、・中小企業研究の新しい視角、・文化経済学の存在意味、・文化と文明のエッジ的多摩ゾーン創造、観光産業の哲学的基盤づくり、・ガイアの未来デザインの可能性、・構想力の磨き方・・・等々尽きることはなかったが、セミたちが鳴きやんで、私たちの2人セミナーも終わりにした。奥山先生、ありがとうございました。
この夏、構想博物館ではまるでアテナイのアカデメイアのように、多くの方々と語り合うドラマの舞台が生み出された。やはりまだまだ隠遁生活とはいかないようだ

2013/8/19

「先端都市観光研究」の深堀会議

先般の、武蔵野市吉祥寺での講演をきっかけに、「先端都市観光研究」のまさに先端研究を進めることになりました。

 

主に、私の提案した「7つの事業モデル構想」を軸に、実施に向けての深堀が始まります。その中身はまだ段ボールの中に入っていますが、事業構造は着々と構築されていくでしょう。武蔵野市観光推進機構事務局長のTM氏、主席研究員のGS氏が、コアメンバーです。


2013/8/18

社会構想学研究会 in Summer を開催いたしました

すでにNY氏が投稿してくれましたが、昨日夏季勉強会「社会構想学研究会」が開催されました。これまでの構想博物館研究メンバーがトライアルしてきた事例について、参加者5名がそれぞれプレゼンして、クロスインパクトの討論を行い、研鑽を積む会です。


YH氏は、「構想発想力モデル」をベースに観光旅路論、文化資源論に及ぶ興味深い発表を行い、HC氏は「世田谷商人塾での地域資源観光論」をフィールドワークを軸に展開、GS氏は私が7月に須崎森賀塾でお話をさせていただいた講演資料を基に、見事な「須崎ペニンシュラ資源の発見とまちづくりリアリズム」に関し、先進的構想を披瀝してくれました。NY氏は「民族社会における盆踊りの意味論」について、これまでの遊行文化研究の骨子を、実に興味深く語ってくれました。私はこれからまとめる「ロジオロジー研究事始め」についての、構想の一端を発表させていただきました。


楽しい、また心が躍る議論の後に、研究饗宴に移行。ワイフの新しい晩餐会コース「鎌倉野菜のロンド(輪舞)」を参加者全員で、試食いたしました。実に美味な知と食の輪舞の会になりました。次回は、深まる秋のころを予定しています。


2013/8/11

大海洋観光時代の構想

構想博物館にて、「大海洋観光時代の構想」研究会が行われた。国交省から海事局内航課のEOご夫妻、海洋観光研究家のKN氏をお招きして、コアメンバーはBF、Tキャプテン、YY、YYの4氏。

 

いつもながら、F座長のキーノートスピーチの後、スーパー発想が次々に展開された。私自身、実に大切な今後の国家戦略と、地域戦略の2本の柱について、重要なヒントをいただいた。これらが、日本の未来をデザインする、マクロ・ミクロのフィールドとなろう。

 

 

瀬戸内海を始め、日本の沿岸部には世界水準を超える海洋文化と伝統産業と、普遍的な景観価値が存在する。比類なき「日本資源」である。
この小さな構想会議は、大きな知の始原宇宙を創出していくであろう。

2013/8/4